
大阪市制100周年記念事業の1つとして、関西電力から建物の寄贈を受け、1989年に開館しました。
日本で初めてノーベル賞を受賞した物理学者、湯川秀樹さんが研究に打ち込んだ大阪大学理学部の跡地に建てられています。
子供から大人まで楽しめるように、約1000点の実物資料や体験型実験装置による展示場やプラネタリウムを備えた施設です。
エントランスホールでは2体のロボットが迎えてくれました。
1体目は東洋初のロボット"学天則"の復元品。

名前には「天の法則を学ぶ」という意味が込められ、人が考える様子を再現しています。
大阪毎日新聞社の西村眞琴さんが製作し、1928年の大礼記念京都博覧会に出品しました。
東京ほか各地の博覧会なども巡回して人気を博したのですが、ドイツに渡った後に行方不明になってしまいました。
もう1体は新しい技術を用いて作られた"キューブくん"。


ルービックキューブの全ての面を読み取り、産業用のロボットアームで器用に色を合わせていきます。
仕事柄、このロボットがどんなプログラムで動いているのか気になったので調べたところ、なんとなくわかりました。
ルービックキューブの解き方は何通りかあるようで、速解きで用いられるLBL(Layer By Layer)法が最もポピュラーだそうです。
きっと、キューブくんをプログラムした方は必死にLBL法や、カメラセンサーと産業用ロボットの使い方などを勉強したんでしょう。
まずは、4階から1階まで設けられている展示場を見学しました。
4階は"宇宙とその発見"がテーマ。
星や宇宙に関する展示や、実物資料や実験装置を用いた科学の原理や法則、科学の歴史に関する展示をしています。





実物資料や実験装置にはかなりお金がかかっているように見えました。
筒の中を真空状態にしてさいころと羽を落下させる装置、ランプや蓄音機といったエジソンの発明品、2008年にノーベル物理学賞を受賞された南部陽一郎さんの理論"自発的対称性やぶれ"のデモ展示などが印象に残ってます。
中でも気に入ったのは元素周期表の実物資料。


金・銀・プラチナといった高価な金属も置いていました。
たぶんメッキでしょうけど。
左上の水素、右上のチッソや酸素などの気体類がみんな空の瓶だったことや、一番下の列にあったウランやプルトニウムなどの核燃料になる放射性元素のところを貼り紙だけ済ませてたところも面白かったです。
3階は"身近に化学"。
金属、宝石、プラスチック、薬など、くらしを支えるいろいろな物質の化学を紹介しています。







鉱物コーナー、宇宙服、エタノールの分子模型、自然/人工香料などの展示が楽しめました。
特に水晶・尿素・ミョウバンなどの結晶は美しく、見とれてしまいました。



あと、天然プラスチックの展示コーナーにあったレコードをよく見てみると、安川加壽子さんの"ショパン エチュード 作品10-3"だということが分かりました。

作曲者も「わたしの一生で、これほど美しい歌を作ったことはありません」と語ったほど、序盤の美しいメロディーにはうっとり聴き入ってしまいます。
ただ、中盤に入るなりがらりと雰囲気が変わるところや、激しくもだえ苦しむようなところは好みが分かれるところでしょう。
2階は"おやこで科学"。
子どもとその保護者を対象としたフロアで、楽しみながら科学の世界にふれることができます。




レールの上を転がり落ちていくボール、人工竜巻、おどる風船のところで足を止めたかな。
ヤマハの"U1"というモデルのピアノが置かれてたのですが、構造があらわになっているのに何の説明もなく、かわいそうに思いました。
1階は"電気とエネルギー"。
発電や送電のしくみ、なつかしい家電製品など、貴重な実物資料を展示しています。





20〜30年ほど前の家電製品、ピンポン玉をつかった核分裂のデモ、4階の元素周期表にはなかったウラン鉱石が興味をひきました。
家電製品の中で僕が特にお世話になったのはファミコン。

電源アダプターを差し込む部分がグラグラしてきたので、はんだごてを使って自分で直したら、音楽鳴るのに画面に緑色しか映らなくなったってこともありましたっけ。
当時はかなり落ち込みましたが、今ではいい思い出です。
プラネタリウムも見てきました。
僕はプラネタリウムを見るのは初めて。
意外と人気があるようで、長い行列ができていました。


通路には、1937年に日本で初めて導入されたドイツのカールツァイス社製のプラネタリウム投影機が置かれていました。
太陽や月、惑星、6000個の星を映し出せる能力があり、いつ、どこの場所の空でも再現することができたようです。
ドームの中は真っ白な幕で覆われた、薄暗い神秘的な空間でした。


中央には日本のコニカミノルタプラネタリウム社製の最新型投影機が設置されていました。
こちらは9100個の星を6色の色と自然なまたたきで、さらにリアルな夜空を映し出す能力があり、天の川も35万個の星で緻密に表現できます。
定員300名のドームは満席状態で上映が始まりました。
前方に大阪の街の景色が広がり、夕焼け空に太陽が浮かび上がります。
時間が進み、太陽の姿が隠れていくと、星がちらちらと光って流れていき、しばらくして当日21:00の星空と明かりの灯った街並みが現れました。
プラネタリウムというのは、流れていく星をみんなで静かに見るものだと僕は思ってたのですが、スタッフが当日の夜に見ることができる代表的な星や星座について説明してくれるにぎやかなものだと知りました。
一番大きく見える月の影やクレーター、
当夜に月のすぐ上に位置する明るくてまたたかない土星の輪、
天の川をはさんで離ればなれにまたたいている織り姫や彦星、
しし座、おとめ座、うしかい座、からす座、さそり座などの夏の星座、
しし座から北斗七星を、北斗七星から北極星を探す方法などなど。
ほとんど星を眺めることがない人でも、つい夜空を見上げたくなるような説明が続きました。
また、街の明かりのせいで星が見えにくくなっているいということで、途中から街並みの映像を消したところ、それまで何もなかった空間にも弱い光を放つ星が輝いて見えるようになりました。
天の川を形作る星々もはっきりと見ることができました。
45分の投影時間はアッという間に過ぎ、太陽が東から顔を出したところで上映は終了しました。
今年はイタリアの天文学者、ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡を夜空に向け、宇宙の扉を開いた1609年から400年目にあたります。
世界中の人々が夜空を見上げ、宇宙の中の地球や人間の存在に想いをはせられるよう、国際連合・ユネスコ・国際天文学連合が、この記念すべき2009年を"世界天文年"と定めたそうです。
みなさんも機会があれば星空を眺めてみてはどうでしょうか。
僕は帰省したときに眺めることにします。